●水素の農業への利用法
◆水素水の活用
神奈川工科大学では、10年以上前から、二酸化炭素(CO2)を出さない物質としての水素に着目、水素のもつ人体への影響などの研究を重ねていた。その結果、老化防止や健康増進に効果が認められ、水素はこれからの社会に欠かすことができない重要な物質である、との結論に至り、同大学では、水素ガスの技術を基に製品化を検討していた。
この水耕栽培に使う水を『水素水』にすれば『収穫が多い』『ビタミンが多い』『野菜そのものに抗酸化物質が増える効果がある』といった仮説のもとに大学や企業などで実証実験による検証を繰り返している。実際に神奈川工科大学では水素水の農作物への『生育の促進』効果を検証しており、一定の効果があると認められる。
高知県は2015年から高知大学などと連携して水素水の散布等、水素を活用したブランド農産物の育成を行い、収穫量が5~15%増加、JA南国市は水素水活用したトマトやコマツナ等を販売しているなど、水素を活用した農業を展開しています。
アタッチメント交換方式の『水素水を散布できる機器』の開発協力の申し入れがあり、現在、試作開発を協議、検討中である。
お茶農家では、殺菌剤など農薬を使用せず、害虫の孵化を減少させたい。
そのため当社の水素ガス発生装置を利用した水素水栽培の検討に至った。
●当社では、2015年に東京都内の大手商社から受託し、水耕栽培のシステム開発に協力している。これは、40フィートコンテナ内で葉物野菜の水耕栽培をするシステムで、高電圧電子(電気)で水のクラスターを小さくし、水耕栽培に利用するとともに野菜の葉に噴霧するシステムである。
■水素ガスを利用した生産者の意見
1.普通の水に比べて植物の根の張りがよく根腐れしにくい効果。
2.小さな害虫による被害を最小限にしてくれる効果。
3.堆肥つくりのときのニオイがすくない効果。
4.病気に強い作物となる効果。があると考えられる。
●水素水を使った植物の成長過程
◆その他の農林水産省や他企業での実験や検証の動向
先進的植物工場推進事業について
- 農林水産省 植物工場『実証・展示・研修事業:千葉大学拠点』植物工場技術、シソで『抗アルツハイマ-病成分の増量』に成功の報道。(千葉大学:加川夏子講師、矢守客員准教授の共同研究グル-プ発表)
- 農林水産省、経済産業省の『先進的植物工場推進事業費補助金』制度が始まってから多数の企業が大規模植物工場への参入が多くなった。また、高知大学、信州大学など多数の大学でも補助事業で水耕栽培施設や植物工場をつくり農産物の生育促進、栄養効果などの研究を始めている。
- 高知県、高知大学、南国市、JA南国市では『電解水素水を活用した還元野菜プロジェクト』を2015年7月3日に推進連携協定締結。
- カゴメのトマトの栽培拠点は、全国的に広がり主な大型菜園は14ケ所。いわき小名浜農園の規模は、東京ド-ム2個分の大きさ、トマトの樹は約35万本、トマトの年間生産量は、2016年実績、17,600トン(450万個)、売上:約100億円。(東洋経済:記者:大滝真一、HPにも掲載)
- 現在、様々な企業がコンテナを利用した『水耕栽培(土を使わない栽培)』で
葉物野菜を栽培するシステムを構築し、国内はもちろんのこと、東南アジアに輸出を始めている。